みんながわかり合える、よりよい世界

The Enligsh, French and Swedish documents are revised in May 2005.

ここでは、世界中の人々と、言葉を通してコミュニケーションをはかることの難しさや、そのためにどの言語を使うべきか、みんなが納得できる答えを出すことの大切さについて、お話しするつもりです。また、なぜ言葉を次の世代に引き継いでいくことが大切なのかについても触れたいと思います。もし私たちが、自分たちの言葉を守り伝えようとする努力を怠れば、多くの言語がすぐにでも消えてしまうでしょう。

これから私がお話しする内容を読んで、ヨーロッパや日本のみなさんが、これらの問題について、自分なりに考えていただけるきっかけになれば幸いです。

日本に住むみなさんにとっても、ヨーロッパの大きな国際機関、いずれはヨーロッパ連合国にでも成長するかもしれない国際機関の内側で、言語協力がどのように行われているのか知っておくことはきっと役に立つでしょう。

ヨーロッパ大陸の言語問題は、どこかで起こっている他人事ではありません。それどころか、この言語問題は世界中どこにでも見られるのです。

ヨーロッパにはたくさんの国が存在します。それらの国々のほとんどがそれぞれ自国語をもっています。これは、ヨーロッパに住む私たちは当然のこと、日本のみなさんにとっても、大きな問題だと言えます。

日本人がヨーロッパ各国の代表と会って話をするとき、どちらもが理解できる英語を使うのが普通でしょう。

日本は、その製品の質の高さで知られる、世界でも抜きんでた工業国です。日本の製品は世界中で使用されています。

もし、世界中の人々がひとつの言葉で、国家を越えてコミュニケーションをはかれたら、しかもそれが簡単に学べる言葉だったら、日本の皆さんにとっても、日本の輸出産業にとっても、とても便利になるでしょう。

だからこそみなさんにも国際的なコミュニケーションの場で、EU(ヨーロッパ連合)が使用する共通語を一つにしようという私の働きかけを理解していただき、ともに支えて欲しいのです。EUが世界に先駆けて始めることにより、国連やその他の国々が後に続くことでしょう。

もしこれが実現したら、子ども達はみんな、学校でその共通語を勉強し、数年もしたら、世界中の子ども達と話ができ、お互いの言っていることを理解するようになるでしょう。

だからこそ日本の皆さんにも、私とともに立ち上がって欲しいのです。私一人の取り組みでなく、皆さんのものにしていこうではありませんか。

日本という国は、世界に影響力をもつ大国です。世界中がその発言に耳を傾けています。

国連には公用語が6言語あり、EUにいたっては20言語もあります。これらの公用語は私たちの重荷になっており、それに伴うコストも大きいのです。

私の名前は、ハンス・マルブ (Hans Malv) といい、医者をしています。この文章はどこかの組織や団体に依頼されたわけではなく、自分のために書きました。なにか経済的な援助をもらっているわけでもありません。では、何のために書いたのでしょうか。それは、地球に住む私たちすべてにとって、人と人、また言語を異にする地域と地域をつなぐコミュニケーションが、地球上の私たち全てにとって、重要なものだと考えたからです。経済的な立場からだけでなく、人道的、文化的な立場からも、コミュニケーションは大変重要なものなのです。

内容について、なにかご意見、ご感想などがありましたら、次の住所にお送りください。

住所:

Hans Malv
Lugna gatan 12
SE - 211 60 Malmö
Sweden

手紙をお送りになる際は、英語で書いていただけると助かります。もしお返事できなくても、どうかがっかりしないでください。

『私の言葉の限界は、私の世界の限界』

ウィトゲンシュタイン,L(Ludwig Wittgenstein)

もし共通語が一つになれば、言語にかける国連の経費は何十億円も削減できるでしょう。削減できた経費は、他にお金を必要とするところに使うことができます。そうなれば、そのお金で少しでも平和な世界に貢献できるというわけです。

あなたの世界なのです。あなたにも責任と義務があるのです。それらを果たそうではありませんか。

そして数年もすれば、二種類の言葉だけ学べばよくなるかもしれません。自分の母語と世界中で通じる共通語一つです。そしてこの二つの言葉が使えれば、誰とでも話ができ、理解できるようになるでしょう。

日本人とロシア人

日本人とロシア人が話をしようとしたら、どんな言葉を使うのでしょうか。もし英語を使って話をしたら、お互いの言いたいことを十分に表現したり、理解したりできないでしょう。というのも、英語は習得が難しく語彙の多い言語であり、言語能力に優れた人でも十分に使いこなせるようになるまでに、最低10年以上の学習が必要だからです。他にもよい方法があるのに、なぜそんなにも難しい英語を使って話をしなくてはならないのでしょうか。そこに、私は疑問を感じるのです。

もしみんなが同じ言葉を話せば、もっと簡単に協力し合えるようになるでしょう。国際協力の重要性がますます高まっているにもかかわらず、今日、国際的な話し合いの場で使われる言葉は一つに決まっておらず、多くの言語が使われています。あなたなら、世界の共通語にどの言語を選びますか。

しかし、例えどれか一つ言語を選んでみたとしても、ほとんどの人が賛成しないということもあるでしょう。

では、どうしたらいいのでしょうか。そこで私は、エスペラント語こそが、この問題を解決できる言語だと思うのです。エスペラント語は、簡単に学べる言語であり、世界にもすでに数百万人の学習者がいます。しかし、実はエスペラント語のほかにも、解決策はあるのです。

あなた自身、また人類全体のためにも、どうか最後まで読み進めて下さい。そうすればみなさんも、世界の抱える言語問題に気づき、またそこには解決する方法もあることがわかるはずです。消滅の危機に瀕している多くの言語、そしてそれらの言語に代表される文化を守ることのできる解決策です。多数派言語にせよ、少数派言語にせよ、私たちには世界中の言葉を守り伝える義務があるのです。そうしなければ、私たちの世界は貧弱なものになってしまうでしょう。

よりよい世界

もし世界中の子ども達や若者がエスペラント語を学び始めたら、数年後にはエスペラント語で、互いに難なくやり取りができるようになるでしょう。今日の若者は明日の大人です。彼らのために、言葉の壁のない、より住みよい世界を用意することができるのです。

学生時代を思い出して下さい

世界中の何百万人という子どもたちは、今日、英語や他の外国語の学習に学校生活の大半を費やさなくてはいけません。しかも、そのほとんどが、使いこなすようになるのは無理な言語です。あなたはこの現状を見過ごせますか。見慣れないつづり、聞き慣れない発音、不規則な文法に悩まされた、そんな自分の学生時代を思い出してください。他にもよい方法があるのに、次の世代の子ども達にも私たちと同じ道を歩ませたいと思いますか。

エスペラント語は、書くのも話すのもとても簡単に学べます。書かれたとおりに発音し、文法もシンプルで例外が存在しません。一度学習してみれば、どのようにエスペラント語が言語問題を解決するかわかるでしょう。みなさんだって、それを自分で試してみることができるのです。

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© Hans Malv, 2004