国際語

本文中の「国際語」という言葉は、現代国語を意味してはいません。

国際協力の重要性がますます高まっているにもかかわらず、今日私たちは、国際的な話し合いをひとつに決められた言語でなく、複数の言語で行っています。

解決策はあるのか?

私たち国連加盟国は、同じ地球に住むほか国々とともに、政府間でも、一般の人同士でも、誰もが使うことのできる言葉をひとつ選ばなくてはなりません。それは、どこか特定の国の言語でもなく、誰の母語でもない言葉であり、しかも簡単に学べる言葉でなくてはいけません。この条件に適う言語がひとつあります。それは、エスペラント語と呼ばれる言語です。しかしエスペラント語のほかに、もうひとつ別の解決策があるのです。

国際語にエスペラント語を選ぶことによって、日本人、ロシア人、アメリカ人、ナイジェリア人、すべての人々に、大きな利益がもたらされます。全ての国の人々が同じ言葉を使って、自分の言いたいことを簡単に表現することができる世界は、より安全で平和な世界へとつながります。誰にとっても得るものは大きいはずです。資本家も労働者も、また孤立主義者も、国境の設置に反対している人達も、みんな同じくその利益を享受できるのです。

通訳なしで話す政治家たち

このような言葉があれば、世界中の政治家はすぐにでも通訳なしでお互いに話ができるようになるでしょう。通訳を必要としないのですから、通訳を挟むと個人的なコンタクトがとれなくなるという心配もなくなり、かなり高いレベルでお互い理解し合えるようになるでしょう。これは、私自身、自分の長い経験から強く感じていることです。

もし世界中の国々が、英語を国際語に選ぶことに賛同したら、現実には、一般の人々が国境を越えて違う国の人と話をすることはかえって難しくなります。そして最後には、どの国も孤立してしまうという結果にしかならないでしょう。

ヒルデガルト

人工言語を発明した最初の人物は、おそらく女子修道院長であったヒルデガルト・フォン・ビンゲンという女性でしょう。この人は、12世紀Lingua Ignota(未知の言語)という言葉を発明しました。それから何百年という間、国際語として色々な言葉が発明されてきました。例えば、ポラピューク語、イード語、ノビアル語、オクツィデンタル語、リング語(Ling)、エスペラント語、インテルリングア語などです。いくらか支持者を集めた言語もありましたが、しばらくすると、だんだんと消えていってしまいました。どれもエスペラント語ほど簡単に学べる言語ではありませんでした。エスペラント語ほど、世界的に普及も成功もしておらず、存続し続けるほど本来の力を発揮しきれていません。

エスペラント語は、どこか特定の国の言葉ではなく、すべての人のための言葉です。またそれぞれの地域の言葉に、取って代わろうという言葉でもありません。むしろその逆で、同じ言語を話さない人と人をつなぐ、言葉のかけ橋になる言葉なのです。

2年後にはみんなが話せるようになる

日本とヨーロッパに住む人がみんな、今日からエスペラント語を勉強し始めたとしたら、2年後にはもう、みんなが簡単に話ができるようになるでしょう。

国際理解と国際協力について十分に理解している人なら、だれもエスペラント語がEUの共通の公用実務言語になることに異論を唱えないはずです。もしこれが実現すれば、エスペラント語は国連の第7番目の公用語になります。このエスペラント語はとても簡単に学べる言語なので、10年もしないうちに、国連や他の国際事業の主力な言語になることでしょう。これは、日本人のみなさんにとっても、大変重要なことなのです。

警察

国際警察協会(International police association)は、世界最大の独立警察機関です。ここでは”Servo per Amikeco”という独自のスローガンを掲げています。この言葉はエスペラント語で書かれており、『友情をもって奉仕せよ』という内容を意味しています。国際警察連合は、世界中あらゆるところから職員が集まる国際機関です。あなたはエスペラント語以外に、このエンブレムに使える適当な言語を思いつくことができますか。


© Hans Malv, 2004